過日、自衛隊機ブルーインパルスの展示飛行を観覧しました。彦根城築城410年祭を祝う為に華を添えて下さった雄姿は、優美と云うか優雅というか、幸せそのものでした。
私は、小学校低学年の時終戦を迎えました。当時は、授業中であれ空襲警報のサイレンが鳴ると、本や筆箱をカバンの中に入れ急いで家路につきました。そんなある日、遥か彼方の空に飛行機が何機か飛んできました。その飛行機の中から、落下傘で降りてくる人を見つけた同級生の友人が「おとうちゃーん」と声を振り絞り叫びました。私たちが草むらで平伏しているのに、どこともわからない飛行機へ走っていった友を、展示飛行を観覧しながら思い出していました。
私たちの世代にとって、恐怖の象徴でしかなかった飛行機が6機、円を描きまたハートを作り、当時は想像する事の出来ない事実として舞っています。世が世ならという言葉の通り、隔世の感を抱きつつ、これほど幸せなイベントを傘寿を迎えた今見られるなんてと心の中で呟きました。その反面、外国では戦争をして死んでいる人もいます。私が神様であるならば、不幸な人を助けることが出来るだろうか、と思いながら毎朝お経を唱えています。何処まで届くかわかりませんが、世界中の人々が安心して暮らせますように祈ります。
㈱棚橋食品 棚橋 幸子